昭和のこどもたちとは
Works
昭和30年代、貧しかったけど
こどもがこどもらしくいられた唯一無二の時代
「昭和のこどもたち」は、昭和三十年代の情景を、人形とジオラマで描いた作品群です。
一体一体表情が異なり、生き生きとした人形たち。
どの場面にも、名前のない誰かの、たしかな一日があります。
これまで全国100か所以上で展示会を開催。
その入場動員数は150万人を超え、多くの感動のお声をいただいております。
あの時代
ぼくは確かにこどもだった
学校はつまらなかったけど
ぼくたちには長い放課後があった
大人たちは生きることに忙しかったから
ぼくたちには自由な時間がいっぱいあった
陣取り、チャンバラ、鬼ごっこ
ケンパに缶蹴り、トンボ釣り
ポケットには宝物の肥後の守と
遊んで勝ち取ったメンコやビー玉が
いっぱいだった
木に登ったり、川で泳いだり
友だちを泣かしたり泣かされたり
貧しい時代だったから
いつも空腹だったけど
ぼくらにはそれでも天国だった
とっくみあいのけんかも仲間はずれも
みんなぼくらのルールの中で解決した
なにもなかったけどぼくらはそれで十分だった
確かにあの時は時間がゆっくりだったんだ
そのぼくたちが今大人になって
こどもの頃の自分を思いだせない
なぜだろう
ずっと続くと思っていたこども時代が
楽しかったこども時代が
やがて突然終わり、ぼくたちはバラバラになった
大人になるということは
忙しくなるということだったんだ
忙しさに流されてぼくたちは
あの懐かしいぼくたちだけの世界を忘れてしまった
あんなに楽しかった時間を
どうしてそのまま大切にしなかったんだろう
ぼくは、こどもの頃の自分を思いだせない
ぼくは自分を見失ってしまったのかもしれない
あそぶ
路地も、野原も、浜辺も、
ぜんぶ遊び場だった。
「風の子」「子どもは風の子」といってみんな外に出て遊んだ
道路は雪でぬかるんでいるから砂浜に集まってくる。
風はまだ冷たいが体ごと仲間とぶつかると暖まった。
おしくらまんじゅうもよくやった。「チャンバラ」 「じゃんけん」 「おはじき」能登半島の一部でさざえのふたを「ちんこば」と呼んだ
少女たちは日陰に集まるとちんこばと貝殻でおはじきをする
珍しくきれいな貝殻を相手から取ったときは嬉しかった
海風が吹く浜は夏の盛りも子供たちのよい遊び場だった。「ビー玉」東北の冬は厳寒と雪に閉ざされる。
長い冬の終わりを待ちかねて少年らは
雪が溶けたばかりの道に出てビー玉で遊ぶ。
道の真ん中は乾いているから、これなら思う所に転がるだろう。「コマ」 「三輪車」 「昆虫少年」たくさんのこどもが昆虫採集にのめりこんだ。
だんぜん男の子が多かった。
そうしてこどもたちは
自然と生命への理解と愛情を深めていった。「とばしっこ」 「悪童」 「どろんこ」 「メンコ」地面がこどもの遊び道具だった。
遊ぶ時間はたっぷりあった。
仲間にもことかかなかった。
此国はこどもたちの天国だった。「あっかんべー」 「またのぞき」 「わんぱく」
くらす
ちゃぶ台と、縁側と、
おばあちゃんの膝。
「めぐるいのち」 「午睡」 「かまどの前」 「ひざまくら」 「お手伝い」 「学校帰り」 「おにいちゃんのかばん」 「姉妹」 「なかよし」 「泣き虫」
はたらく
大人の働く背中を、
こどもはいつも見ていた。
「田植手伝い」忙しいときは子供も重要な働き手になった
学校は田植休み
家中総出で苗を植える
手伝いの出来ない幼子は田んぼの中で遊んだ「野菜売り」 「早乙女」田植えをする女性を総称して早乙女という
田植えは田の神様が見ている神聖なもの
少女たちは白い肌襦袢に 上下きれいな野良着を装い田に出る
山里の田んぼは周りから聞こえる小鳥のさえずりと相まって
若い娘たちの明るい声で輝くように活気づいた「稲扱き」子守りをするのも当たり前だけれど
遊びが本領の子供たち
背中の重さも忘れて時が立つのも早い
秋の澄んだ空気に響くまりつき歌は
重労働にいそしむ大人たちにほのかな安らぎを与えた「縄綯い」おばあの手から生き物のように綯われる縄は
単にものを縛るだけでなく様々なわら細工に使われた
子どもは器用に動く手先に見とれているうちに
なんだか面白いと分かると自ら覚えた「いっぷく」 「家路」
めぐる季節
桜の入学、夏の浴衣、
雪のかまくら。
「桜の木の下で」 「縁日」 「紙芝居」 「嫁ぐ日」 「慈愛」 「かまくら」
写真をクリックすると大きく表示します。
作品目録List of works
「昭和のこどもたち」の展示人形のテーマと制作年です(旧公式サイトに掲載していた51テーマと番外編の、体数と制作年)。現在の総数は確認のうえ更新します。
- かまくら四体・一九九八年
- 慈愛三体・一九九八年
- 仏笑二体・一九九七年
- 夢中一体・一九九六年
- おにいちゃんの鞄一体・一九九七年
- 豊饒の一刻五体・一九九七年
- お手伝い一体・一九九二年
- ひざまくら二体・一九九六年
- めぐるいのち三体・一九九六年
- かまどの前一体・一九九四年
- 幼子と三体・一九九四年
- 内職二体・一九九四年
- 母のかたわら二体・一九九二年
- 午睡二体・一九九七年
- 家路五体・一九九六年
- 潮騒四体・一九九六年
- わんぱく一体・一九九一年
- 僕らの木九体・一九九六年
- 新しい靴一体・一九九一年
- チャンバラ二体・一九九二年
- けんか三体・一九九五年
- 先生四体・一九九七年
- とっくみあい七体・一九九七年
- 負け試合四体・一九九二年
- どろんこ一体・一九九六年
- またのぞき二体・一九九五年
- あっかんべー一体・一九九七年
- 草花遊びの帰り道二体・一九九二年
- なかよし二体・一九九四年
- 泣き虫二体・一九九四年
- 縁日二体・一九九二年
- 三輪車二体・一九九三年
- とばしっこ二体・一九九四年
- 行水五体・一九九五年
- びーだま五体・一九九一年
- こま四体・一九九二年
- じゃんけん五体・一九九二年
- 悪童七体・一九九七年
- 学校帰り五体・一九九五年
- 桜の木の下で四体・一九九二年
- いっぷく一体・一九九八年
- 野菜売り一体・一九九四年
- 行商の群れ九体・一九九三年
- 姉妹二体・一九九一年
- 街娼六体・一九九四年
- 嫁ぐ日四十四体・一九九五年
- 母子像二体・一九九九年
- 紙芝居二十六体・一九九三年
- 縄ない三体・二〇〇七年
- 田植え手伝い六体・二〇〇七年
- 稲扱き五体・二〇〇七年
- 雨上がり番外・一体・一九九一年
- おつかい番外・二体・一九九一年
- メンコ番外・五体・一九九一年
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